SHUCHHO1
1989年/91分/カラー/ビスタ/35mm URBAN21製作  ※オールナイト(1) 9月8日(土)上映作品

出演/石橋連司、原田芳雄、松尾嘉代、常田富士男、亜湖、佐藤慶(声)
撮影/大津幸四郎 照明/岩崎豊 録音/菊地進平 美術/大石章二 製作/神原寛

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映画界から遠ざかっていた沖島が20年ぶりにのぞんだブラックコメディ。主人公は中年のサラリーマン・熊井。いつもと同じように出張先に向かう途中落石事故により足止めされ田舎の山奥で、ふらりと立ち寄ったスナックで二人の美人ママと一夜を過ごすという中年男にとって普段ではありえない体験から、白昼夢のような物語がはじまる。次の日、ひょんなことから山中にひそむゲリラに誘拐されてしまう熊井。「国家権力を撲滅するために闘っている」という彼らは、五千万円の身代金を要求するのだが…。
誰もが浮かれていたバブル絶頂期に、深刻なテーマを嫌う沖島が「コントのように時代をとらえたい」と、この荒唐無稽で現代への鋭い批評が見え隠れするストーリーを編み出した。ゲリラの存在は過去の学生運動などを想起させるが、まるで緊張感のない隊員たちの姿はそんな安易な決めつけをあざ笑うかの様だ。身代金を要求された熊井の妻と会社は、彼の身を案じるどころか事件を巻き込まれた不始末を徹底的になじるばかりで、現代のサラリーマンの哀しい立場をうかがわせる。そしてラスト、また元の生活に戻っていく熊井の叫びは、世の中年男性、そして監督である沖島本人の思いが込められている。
しがない会社人間を演じる石橋蓮司、自分たちが拉致した男を丁重にもてなす風変わりなサラリーマン家庭の妻そのものの松尾嘉代など、個性的かつ豪華な役者が出演。

DVD-BOX「沖島勲全集」リーフレットより転載)